半導体産業と新社会秩序::大不況時代の始まり1989年の社会状況

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大不況時代の始まり1989年の社会状況

1989年は、世界的に大きな変化が起こった年であり、冷戦の終結や経済の転換、文化の進化など、多くの重要な出来事が見られた。本レポートでは、1989年の社会状況について「政治」「経済」「文化」「国際政治」の観点から詳細に分析し、それぞれの特徴的なトピックについて詳述する。

そして、日本の長く続く「平成不況」の震源となった年でもある。この年は、バブル景気の最高潮に達した時期であったが、この後、30年、40年という無限に続くかのような不況にあえぐ日本が現出するきっかけである「冷戦終結」が決定的になった年である。この冷戦終結は、日本に無限に続く不景気をもたらした。人類史上、これほど長きにわたる不況を経験した先進国はない。日本がが経験した大不景気時代は、単なる不況ではなく、緩やかな滅亡・民族絶滅か、もしくは、これこそが日本の定常状態であるという、どちらかであろう。不況下でも大きく国民の福祉は低下せず、インフラは緩やかに更新され、一部の都市は発展した。その意味では定常状態であるのかもしれない。しかし、大きく棄損された日本の産業国際競争力やイノベーションランキングは、滅亡を暗示するかのような状態を示している。

この日本がいまだにとどまっている地獄が始まった1989年を見てみよう。

ニューズウィーク日本版


1. 政治

日本の政治
1989年の日本政治は、昭和から平成への転換期であり、象徴的な出来事がいくつかあった。

1. 昭和天皇の崩御と平成の始まり
- 1月7日、昭和天皇が崩御し、皇太子明仁が即位。日本は「平成」時代へと移行した。
- 国民の間には、昭和の激動の歴史を振り返る動きが広がった。

2. リクルート事件と竹下内閣の退陣
- リクルートコスモス株を巡る汚職事件が発覚し、政界や官僚の腐敗が明るみに出た。
- 世論の批判が高まり、竹下登首相は4月に辞任。宇野宗佑が後継首相となるも、短命政権に終わった。

3. 参院選での自民党大敗と海部内閣の成立
- 7月の参議院選挙で自民党は歴史的大敗を喫し、結党以来初めて参議院での過半数を失った。
- これを受けて、8月に海部俊樹内閣が発足。政治改革が重要な課題となった。

世界の政治
1. ベルリンの壁崩壊(11月9日)
- 冷戦終結の象徴的な出来事であり、東ドイツと西ドイツの統一へ向けた動きが加速した。

2. 中国・天安門事件(6月4日)
- 北京の天安門広場で民主化を求める学生デモが発生。中国政府は武力弾圧を行い、多くの犠牲者を出した。
- これにより、中国共産党の権威主義体制が強化される一方、国際社会からの批判が高まった。

3. ソ連のペレストロイカとゴルバチョフの改革
- ソ連ではミハイル・ゴルバチョフ書記長の下でペレストロイカ(改革)が進行していたが、経済の混乱が深刻化。
- 東欧諸国の民主化運動が加速し、ソ連の影響力が低下した。


2. 経済

日本の経済
1. バブル経済のピーク
- 1980年代後半、日本はバブル経済の絶頂期にあり、不動産や株式市場が過熱。
- 1989年12月、日経平均株価は史上最高値(38,915円)を記録した。

2. 消費税の導入(4月1日)
- 竹下内閣の下で3%の消費税が導入され、国民の間に不満が広がった。
- これが自民党の参院選大敗の一因となった。

世界の経済
1. アメリカの金融政策とブラックマンデー後の回復
- 1987年のブラックマンデー後、アメリカは金融緩和政策を進め、経済の回復を促した。
- 日本のバブル経済と連動する形で、世界経済は活況を呈した。

2. ソ連経済の悪化
- ペレストロイカの影響で計画経済の歪みが表面化し、経済成長が停滞。
- 1991年のソ連崩壊の前兆が見られた。


3. 文化

日本の文化
1. 元号「平成」の定着
- 平成の始まりとともに、新時代の文化が形成されつつあった。

2. 映画・アニメの発展
- 宮崎駿監督の『魔女の宅急便』が公開され、大ヒットを記録。
- アニメ文化が世界的に注目され始めた時期であった。

3. 音楽の変化
- 2020年代に再注目される「J-POP」の多くが完成し、B’zやドリームズ・カム・トゥルーがデビュー。
- バブル経済の影響で、華やかな音楽スタイルが流行した。

世界の文化
1. ベルリンの壁崩壊と音楽・芸術
- 東西ドイツ統一を祝う音楽イベントが開催され、ロックミュージシャンが政治に関わる動きが見られた。

2. ハリウッド映画の隆盛
- 『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』や『バットマン』が大ヒットし、エンターテイメント産業が成長。


4. 国際政治

1. 冷戦終結の加速
- 米ソ首脳会談(マルタ会談)で、冷戦の終結が事実上宣言された。

2. 東欧の民主化革命
- ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリーなどで共産主義政権が崩壊。

3. 中国の孤立化
- 天安門事件後、中国は国際社会から批判を受け、経済制裁を受けることとなった。


5. まとめ

1989年は、冷戦終結に向かう中で世界秩序が大きく変化した年であった。日本国内ではバブル経済のピークと政治スキャンダルが交錯し、平成時代が幕を開けた。一方、世界ではベルリンの壁崩壊、天安門事件、東欧革命など、歴史的転換点が相次いだ。この年の出来事は、1990年代以降の世界の形を決定づける重要な要因となった。

また、ソニー株式会社がコカ・コーラ社からコロンビア映画を買収した。これは多くの白人から「日本人のハリウッド侵略」だと喧伝された。それを焚きつけたのはNewsweekをはじめとした、メインストリームの欧米メディアだった。彼らは人種的偏見に基づいて根も葉もないことを書き立てるカストリ誌であることを証明した。2000年以降明確になるこれら「メインストリームのメディア」の知的零落はこの時に明確に浮き彫りになった。

2000年以降、日本に代わり、世界に進出したのは共産中国だった。共産中国はあからさまな反文明的勢力てあり、自由主義諸国と席を同じくできるようなプレイヤーではなかった。しかし、欧米の主流派は彼ら共産中国を歓迎した。それはなぜだろうか?彼ら知的に零落した白人の多くは日本を憎み、それを退場させる「プレスタージョン」として中国を見ていたのである。しかし、白人たちの濁った眼では見抜くことができなかった共産中国の本質は2020年代に凶暴な形で示されることになる。巨大なモンスターになった共産中国を白人たちはどのように見るだろうか?自らの愚かさに気づくことはないだろうが、日本憎しの感情的行動が何をもたらしたのかをこれから知ることになるだろう。